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〜精神障害の労災認定について〜

1.厚生労働省に認定基準の設置

 平成23年12月に、厚生労働省より労災の認定基準として、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が発表されました。
 厚生労働省の発表によると、近年、仕事によるストレス(業務による心理的負荷)が関係した精神障害についての労災請求が増え、その認定迅速に行うことが求められ、これまで平成11年に定めた「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」に基づいて労災認定を行っていましたが、より迅速な判断ができるよう、また請求される方に分かりやすい基準を示すために、新たに定められたのがこの認定基準です。
 厚生労働省のホームページの下記URL添付のPDFファイルに詳細が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/120427.html

2.精神障害に関する労災請求の増加傾向

 精神障害の関する労災請求事案数については、厚生労働省の発表によると平成20年度は927件と1000件を超えていなかったにも拘わらず、年々増加し平成23年度には1272件と300件以上も増加しています。
 請求件数の増加に伴い、時代のニーズにあったより明確で詳細な基準が必要となり、平成23年12月に新たな認定基準が定められました。
 平成11年に定められた判断指針と比べれると、随分と判断方法や事案の分類がより詳細となったため、多種多様な事案により対応しやすくなったとの印象を受けます。
 平成11年に定められた判断指針は下記URLに掲載されています。
http://www.joshrc.org/~open/kijun/std09-2-544.htm

3.精神障害の労災決定件数の推移

 平成23年12月に新たな認定基準が定められた後の平成24年度の精神障害に関する労災決定件数は、平成23年度の325件から、150件増加の475件となっており、認定率も従前は30%前後であったものが39%と大きく数字が伸びております。
詳細な推移については、下記URL添付の別添資料2のPDFに記載されています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034xn0.html

4.平成23年12月に定められた認定基準の概要

 新たに定められた認定基準としては、
「’定基準の対象となる精神障害かどうか
 業務による強い心理的負荷が認められるかどうか(概ね発病前6月前)
  ・長時間労働も一定の時間以上になると、△梁仂飮案となりうる。
  ・心理的負荷の内容としては、パワハラ、セクハラ、いじめ、嫌がらせなども含まれる
 6般外奮阿凌翰的負荷や個体側要因により発病したとは認められない」
この´↓に当てはまるなら、労災認定されるとの基準が示されました。
 また、「業務による心理的負荷評価表」を作成し、対象事案の分類をより詳細かつ明確にしたことで、労働者側も経営者側も事前により適切な対応を行い易くなったものと思われます。

5.精神障害の発生を防止するために推進されているメンタルヘルス対策と今後の課題

(1)

厚生労働省の所轄機関である独立行政法人労働者健康福祉機構からは、精神障害を未然に防ぐために、経営者の方に対して、その基本指針として以下の4つのケアを行うよう推進しています。
 .札襯侫吋
 ▲薀ぅ鵑砲茲襯吋
 事業場内産業保健スタッフ等(産業医や保健師等)によるケア
 せ業場外資源によるケア

(2)

これらの4つのケアを実現するため、同機構より具体的に以下の4つの対策を実施することも推進されています。
 .瓮鵐織襯悒襯好吋△龍軌藐修・情報提供
 ⊃場環境等の把握と改善
 メンタルヘルス不調への気づきと対応
 た場復帰における支援
 尚、最近では、一部大手保険会社では、メンタルヘルスサポートに関する商品が販売され始めており、サービス内容の一環として、産業医の紹介や職場復帰支援サービスなども行っています。

(3)

業務上の精神障害を防止するために、上記のような対策を採ることが適切ではありますが、研修制度実施のための人材確保・産業医の確保等のために相当な手間と費用がかかる一面もあり、大企業ならともかく、小規模な中小企業ではこのような対策を採ることが必ずしも容易ではなく、中小企業においてもメンタルヘルス対策を実現できるよう、地域の産業保健センター等との連携を容易に行える体制を整える等の公的支援を行うことも、今後の検討課題と思慮します。

以 上

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