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薬物依存からの回復

2010年2月 内橋 裕和

1.薬物依存と刑事弁護

 私達弁護士が、私選や国選で受ける事件の多くが、覚せい剤やシンナー等を使用した薬物事件です。そして、それらの薬物使用事件の多くが、再犯(同じ使用等で裁判を受けながら、また同じ使用の事件を犯すこと)です。

 これは、このような薬物使用者は、なかなかその使用を止められないことを示しています。

 私達弁護士は、このような事件で弁護する場合、被告人に「薬物使用については深く反省しています。今後一切使用しません」と言わせ、家族等に情状証人として出廷してもらい、「家族で使用させないよう監督する」と証言してもらうのが通例です。

 しかし、多くの薬物利用者は、そう簡単には使用を止められないのです。そしてそれが現実なのです。

2.薬物依存は病気なのです。

■薬物依存を引き起こす薬物は、中枢神経系を興奮させたり抑制したりして、「こころ」のあり方を変える作用を持っています。

 薬物依存の本質は、使用したことのある薬物の精神的効果の体験(快感や多幸感を得る、不快感や疼痛等による精神的苦痛からの解放)、生きている実感を得るそして、概ね以下のような経過を経て、薬物依存へと陥っていきます。

\鎖静依存
 薬物を使用しはじめるきっかけとなった精神的効果を得るために、薬物を連続的または強迫的に使用し続ける状態です。

耐性がつく。
 薬物を使い続けているうちに、身体がその薬物に慣れてきて、
・以前使っていた量では効かなくなる。
・それまでと同じ効果を得るために、使う料がますます増えていく。
 という状態になります。これが耐性がつくという状態です。

Nッ症状(禁断症状)

 薬物の使用を中断すると、不快な感覚や身体症状が起こる状態です。

 全身が震えたり、吐き気がしたり、体中を虫が這っているような感じがしたり、誰かに見張られている、追われて危害を加えられる等という脅迫神経めいたものが多く見られます。

た搬琉預

 離脱症状(禁断症状)が発生するため、自分の意思では薬物の使用のコントロールができなくなり、どのような手段を使っても、薬物を手にいれたいという欲求が押さえられなくなった状態です。

■薬物の乱用などでひとたび幻覚・被害妄想などの精神病の症状が生じると、治療によって表面上は回復しているかにみえても、精神異常が再び起こりやすい下地が残ってしまいます。そのため、表面上は回復しているように見えても、飲酒やストレスなど些細なきっかけで、薬物依存状態が再燃してしまうことがあります。これをフラッシュバックと言います。

 そして、なお、誘われたり薬物を目の前にすると、使用したいという渇望感が強く現れ、ふたたび薬物を使用してしまうことになります。

■これでわかるように、薬物依存は、「薬物使用をコントロールできない」また「離脱症状の苦しさからまた使ってしまう」という症状が現れる、進行性のかつ慢性の病気なのです。

 しかし、「不治の病」ではありません。

3.薬物からの脱却ダルクの活動

 薬物依存者は、あらゆるエネルギーを薬物使用に使うことしかない状態に追い込まれているので、ここから一人で脱却することは無理だといっていいでしょう。病院で身体の安全を確保しつつ、解毒治療をする。これだけで薬物依存からの脱却はできません。

 自助グループや中間施設で仲間と出会い、繰り返し自分の話をし、仲間の話を聞くことで回復を続けていくことが、薬物からの脱却への着実な途であると言えます。その活動をしているグループのひとつにダルクがあります。

■ダルクとは

 ダルクとは、英語のD(ドラッグ)、A(アディクション中毒)、R(リハビリテーション)、C(センター)の頭文字からの造語です。

 ダルクは、1985年7月、現在も代表者の近藤恒夫さんが、東京都荒川区東日暮里の古い一軒家を借りて、薬物依存症者が回復を目指しての共同生活を開始したのがはじまりです。その後、ダルクは、北海道から沖縄まで、今では日本全国に50を超える施設となっています。

■ダルクの活動内容

.瀬襯の施設の人々は、施設長もスタッフも全ての人が、薬物依存やアルコール依存の問題を抱えた人たちです。その特徴は、依存という共通の悩みを抱える人たち同士が集まり、ともに正直に語り合い、互いに支えあうことによって、ひとり一人、問題を解決していこうというセルフヘルプ・グループの方法論にあります。

⊆腓淵廛蹈哀薀爐蓮▲▲瓮螢のAA(アルコホーリック・アノニマス/アルコール依存者の自助グループ)がつくった12ステップを基本とした、1日3回のミーティングです。

 この3回の内の1回は、日本各地で行なわれているNA(ナルコティクス・アノニマス/薬物依存症者の自助グループ)のミーティングです。そこでは匿名性が重視され、参加する全ての人がアノニマスネーム(NA)で呼ばれています。ある意味で、ダルクの存在意義は、このNAでのミーティングへの橋渡し役とも言えるのです。

F韻犬茲Δ並慮海鬚靴討た人たちがともに語り合う場がミーティングです。

 ミーティングでは、まず人の話を聞くことからはじめ、毎日これを繰り返すことで、少しずつ自分を見つめなおすことができるようになり、やがて自尊感情を手にして、正直さを獲得し、生きる希望を見いだしていけるようになります。

ぅ瀬襯では、「みんな同じ病気」という全く対等な立場で、同じような体験をし、ともに回復の道を歩んでいる仲間に許され、認められることが回復には必要であり、「ダメ」な人を排除しない、立ち直りのチャンスを与えることが必要であると考えています。

ゥ瀬襯には「今日一日」(Just for Today)という言葉があります。

 昨日のことは、過去のことは、あれこれ悔やんでも、いまさらその事実を変えることができない。明日のことは、将来のことはわからない。もしかしたら、とても辛いことかもしれない。

 としたら、せめて「今日一日」は、”クリーン”(薬物を使わない)でいよう。「今日一日」、精一杯生きてみよう。

 そんな考え方です。

Ε瀬襯では、社会の中で薬物を使わない(クリーン)日を始めた日を「バースデー」と呼び、「今日一日」の積み重ねでバースデーを重ねられれば大いに祝いたいし、薬物の再使用をしてしまっても、もう一度生き直し、もう一度、あらたなバースデーを迎えられればよいと考えています。

4.リンク

 薬物依存で苦しんでいる人、その御家族の方々へ

 是非、一度ダルクの門を叩いて下さい。

連絡先:奈良ダルク
〒635-0065奈良県大和高田市大中2-10-18
TEL:0745-22-0207 FAX:050-1253-5538
社団法人 座 -くら-
http://kura-ag.org/

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